インドのムンバイではお弁当を職場まで届ける配達人が昼食前に忙しく職場を行きかう。ところが、イラの作ったお弁当が、妻に先立たれた見知らぬ男のもとに届けられる。夫との愛情を取り戻したいイラと男サージャンのお弁当を通じた交流はそうして始まった・・・。
異なる線であった二人の人生が少しずつ近づく、だが、重なり合わない。そんな距離感が描かれる。美味しそうなお弁当。イラの住まいの上に住むおばさん。美しいイラに対し、自分の老いに気づくサージャン。インドの日常はよく知らなくても、温かみを感じさせる。急ぐ展開でもなく、人間ドラマが響いてくる。
ラストは、今までとこれからの二人の状況を暗示させる。いつか、逢える日が来るのだろうか。