ニューヨークで家を持たず、ビルの屋上に不法侵入して寝床とする男。持っているのは、フィットネスクラブのロッカーに押し込んだ身の回りのものだけだ。見た目も悪くない、トークも軽快なファッション業界の写真家であるマークレイの、それが生き方だった・・・。
お金の問題と嘯きながら、ファッション業界にしがみつき、もがく底辺写真家の奇妙な生態を描いている。昼間は、見た目もバッチリ、軽口を叩きながらモデルを探し町を徘徊。パーティでモデルを口説く。負け続けても、進み続け大都会で生きる。彼のセリフや生き様に共感なぞ出来ないが、ドキッとさせられ続ける。
原題のHomme lessとは家がないという単純な意味をもたせているのではなく、何かに欠けた男と言う、意味合いもあるだろう。邦題って難しい。