ナチスに略奪された名画「黄金のアデーレ」を巡る話。オーストリアの裕福な家庭はナチスの迫害で財産を失った。その中に叔母の肖像画があった。駆け出し弁護士と一緒にその名画を取り戻す道のりをマリアは歩きだす。
返還を求めるためにオーストリアへの訪問を固辞するマリア。その心の傷と歴史を反芻する旅でもある。法廷闘争自体はシンプル。挫けそうになりながらも、矜持と高潔さと家族への思いで乗り越えて名画を取り戻すことになる。主演の二人の演技がよく、画面から目が離せない。
未だ収奪された美術品の多くが返還されていない。