かつては畑で働く奴隷だったセシルは、ホテルのボーイとなり、ホワイトハウスの執事となる。大統領の傍で激変するアメリカを目撃することになる。だが、父親としては息子との間に生まれた距離に心を痛めるのであった・・・。
実在の執事をモデルとした映画。アメリカは決して自由と平等の国ではなかった。黒人は奴隷だったし、理不尽な扱いを受けたきた。主人公は最後まで傍観者でしかなかった。しかし、彼が息子を抱きしめた時、彼が彼の人生の主人公になったのではないか。
歴史の激動・意義からすると、淡々として傍観者たる視点。過激な描写は抑え気味だけれども、示唆をうまく入れつつ丁寧な映画だった。